熊本地震支援募金
平成28年4月14日に発生した熊本地震の支援を目的とした募金活動を兵庫県姫路駅前にて実施いたしました。
ここでは詳細の報告ではなく、災害支援について今回感じたことを書いてみます。
阪神大震災で幕が開けた災害支援活動というボランティアも、東日本大震災や、各地で起こるゲリラ豪雨などの自然災害を経て、根付くと共に少しずつ取り巻く環境も変化してきていることに気づきます。
災害支援ではまず、初動として水、食事を筆頭に生活物資の支援が必要であり、その後に泥掻きや瓦礫撤去などの人的支援、さらには心のケアなどと展開されていきます。
今回の熊本地震では阪神大震災当時と比較すると、自衛隊など国家主導による物資の支給速度が格段に上がった結果、民間ボランティアによる支援物資が余ってしまい、行き場をなくすという現象が顕著になりました。
当会でも現地の情報をできる限り収集、分析、調整しながら、水やレトルト食品といった物資の支援を行いましたが、非常に難しい判断を要しました。
もちろん国家の緊急支援体制の充実は喜ばしいことです。
状況にもよりますが正規避難所に関しては速やかに国家から物資が運ばれるので、今後の災害発生時には支援速度が落ちる非正規の民間避難所への速やかな支援を優先すべきなのかもしれません。
また、インターネットやSNSという情報共有手段の発達で意見の発信機会が増えたことにより、ボランティアへの評価も分かれてきました。
ボランティアの押しつけや自己満足という匿名による批判の恐れがあり、啓発活動も慎重に行わなければなりませんが、同時に真摯に受け止めて本当に被災された方にとって心地よい支援活動とは何かを深く考える時期を迎えているように思います。
当会はあくまで僧侶の集団です。そして阪神大震災で手を差し伸べられた地域の僧侶達です。どのような活動が本当の意味で心地よい支援活動なのか、これからも模索しながら、それでも前に進みます。